キャッシュメモリー(読み)きゃっしゅめもりー(英語表記)cache memory

翻訳|cache memory

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キャッシュメモリー」の意味・わかりやすい解説

キャッシュメモリー
きゃっしゅめもりー
cache memory

コンピュータの処理速度をあげる目的で、CPU中央処理装置)とメインメモリー主記憶装置)の間に取り付けられる小型のメモリー記憶装置)のこと。メインメモリーと比べて容量は小さいが、高速に作動する。一般にメインメモリーには、低速で安価なダイナミックRAM(ラム)が使われ、キャッシュメモリーには高速で高価なスタティックRAMが使われている。なお、英単語のキャッシュcacheとは「貯蔵庫」を意味している。

 メインメモリーの動作はCPUよりも遅いため、両者間でデータを転送するときに、CPU側でウエイトとよばれる待ち時間が生じる。これが、処理速度の低下につながる。それをできるだけ少なくするために、アクセス頻度の高いデータなどをキャッシュメモリーに保管しておいて、CPUがまずキャッシュメモリーにアクセスし、メインメモリーへのアクセスの回数を減らすことで処理速度をあげる。キャッシュメモリーはメインメモリーよりも高速に動作するとともに、CPUと近い位置で接続される(現在ではCPUチップに内蔵されることが多い)ためアクセス時間をより短縮することができる。

 多くのCPUには、CPUに近い順に一次二次という二段階のキャッシュメモリーが搭載されており、それぞれL1、L2キャッシュメモリーと表記される。また、一部のCPUには三次キャッシュメモリーをもつものもある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例