SPA(読み)SPA/えすぴーえー(英語表記)specialist retailer of private label apparel

知恵蔵「SPA」の解説

SPA

生産機能をもったアパレル専門店であり、商品の企画から製造物流、プロモーション、販売までを一貫して行う小売業態。アパレル業界では百貨店や専門店がアパレルメーカーの仕入商品を販売するという流通様式が一般的であり、売れ残りのリスクを回避するために委託仕入や消化仕入といった特殊な取引形態もある。これに対して、米国ギャップや日本のユニクロに代表されるSPAは、自社開発の商品・ブランドを品揃えし、統一したコンセプト小売店頭での差別化を図っている。SPAは自ら需要変動のリスクを負わねばならないことから、流通在庫を削減し、売れ残りのリスクを最小化するため、店舗での販売情報をいち早く追加生産に結びつけるためのQR体制に特徴をもち、工場を稼働させる生産量を確保するための多店舗化が必要となる。アパレルメーカーの中にも市場情報を的確に把握し、ブランド価値を高めるためにSPAに乗り出す企業がみられるようになっている。SPAはアパレル業界で生まれた業態であるが、製造小売業全般を意味する場合もある。

(懸田豊 青山学院大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)「SPA」の解説

SPA
えすぴーえー

アパレルの業態を示す用語で、自ら企画した衣料品に特化し直営店で販売する。製造小売り。1986年にアメリカのGAP(ギャップ)が自社の業態について表現した「Speciality store retailer of Private label Apparel」の略称である。直訳すると、「自社ブランドの衣料品の専門店を営む小売業者」となる。それまでのアパレル業界は、商品企画、製造、小売りがそれぞれ水平分業されていたが、こうした機能を垂直統合することで、統一したコンセプトによる商品展開、原価低減による低価格販売、不良在庫の削減が可能になった。高級ブランド業界が展開していたビジネスモデルを大衆向けファッションに適用した点に新しさがあった。GAPのほか、スウェーデンのH&M(エイチアンドエム)、スペインのZARA(ザラ)、日本のユニクロのようなブランドが、グローバルSPAと称されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉「SPA」の解説

エス‐ピー‐エー【SPA】[specialty store retailer of private label apparel]

specialty store retailer of private label apparel》小売企業でありながら、自社でリスクを負って商品企画、生産から販売までを一貫して行う形態の小売業のこと。米国のGAP(ギャップ)、日本のユニクロなどが代表的。反対にアパレルメーカーで自社小売店を経営し、同時に自社商品を販売する業態の企業もSPAという。製造小売業。アパレル製造小売専門店。

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