BIMSTEC

共同通信ニュース用語解説 「BIMSTEC」の解説

BIMSTEC(ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ)

1997年6月、インドタイスリランカバングラデシュの4カ国で発足した地域機構。2003年までにミャンマーネパールブータンが加わった。南アジアと東南アジアをつなぎ、両地域の経済発展を促す構想で、インドとタイが中心的な役割を果たしてきた。貿易投資促進や交通・通信網整備など14分野での協力をうたい、自由貿易圏創設も目指す。ミャンマーの民政移管やスリランカの内戦終結などにより、構想の具体化に向けた環境が整いつつある。(ネピドー共同)

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

知恵蔵 「BIMSTEC」の解説

BIMSTEC

1997年にベンガル湾周辺のタイ、インド、バングラデシュ、スリランカの4カ国で発足した国際協力の枠組み。ミャンマー(ビルマ)、ネパール、ブータンも加わり、現在の構成国は7カ国になっている。発足時は閣僚級の協議だけで、貿易・投資、技術、交通・通信、エネルギー、観光、漁業の6分野での協力を提唱した。2004年7月にバンコクで開かれた初の首脳会議では、域内の自由貿易協定を早期に成立させ、経済発展を促す首脳宣言を採択した。自由貿易協定については、タイ、インドなど先行グループから関税を順次撤廃し、17年までに全域に広げる考え。もともと東南アジアの中軸を自認するタイが「西方(ルックウエスト)政策」を掲げ、南アジアの地域大国インドが「東方(ルックイースト)政策」を打ち出してBIMSTECの牽引車となっており、東南アジアと南アジアをつなぐ経済圏の構築を目指している。インドには、中国が「南下政策」をとって東南アジアに接近しているのに対抗する狙いもある。また、タイからインドまでミャンマー経由で伸びる道路建設や、同国南部の港湾開発なども論議されており、ミャンマーの発展と改革がBIMSTECの成功のカギのひとつと言えそうだ。

(竹内幸史 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android