EC政治統合(読み)イーシーせいじとうごう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「EC政治統合」の意味・わかりやすい解説

EC政治統合
イーシーせいじとうごう

1987年に発効した単一ヨーロッパ議定書は,70年に発足したヨーロッパ政治協力に法的根拠を与え,ヨーロッパ議会権限を強化するなど政治統合を目指した歩みを強くしていった。それをさらに促進する契機となったのがドイツ統一問題であった。 90年4月の EC首脳会議では,共通の外交・安全保障政策確立の具体的提案がなされ,ヨーロッパ連合条約では政治統合を目指すことが唱えられた。しかし,旧ユーゴスラビアの解体による民族紛争を背景に,EC政治統合と西欧同盟,全欧安保協力会議,NATOとの間の調整に手間取り,また一国主義の解体が鮮明になるにつれて,各国で反統合を掲げる新右翼が台頭するなど,政治統合の未来は不透明である。

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