20世紀西洋人名事典 「F.ファノン」の解説
F. ファノン
Frantz Fanon
1925.7.20 - 1961.12.6
アルジェリアの精神科医,アフリカ革命理論家,小説家。
フランス領西インド諸島マルティニク島生まれ。
フランスで精神医学を学びながら評論活動を開始し、白人社会における黒人の矛盾した立場を分析した「黒い皮膚、白い仮面」(1952年)を発表して注目を浴びる。’53年アルジェリアの病院に赴任するが、アルジェリア独立に共鳴してアルジェリア民族解放戦線に参加し指導的理論家となる。しかし、’61年白血病のためニューヨークで客死する。彼の暴力論は第3世界の民族運動や米国の黒人解放運動に多大な影響を与える。著書に「アルジェリア革命第5年」(’60年)、「地に呪われたる者」(’61年)など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報