知恵蔵 「iBookstore」の解説
iBookstore
iBookstoreを利用するには、アップル社がiOS用のアプリケーションを提供しているサイト「AppStore」から、iBooksと呼ばれるアプリケーションをダウンロードする必要がある。
iBooksはアップル社のクラウドサービスである「iCloud」によって、ユーザーが持っているiOSデバイス同士で共有できるため、例えば、iPhoneで読んでいた書籍の続きをiPadで読むといったことが可能。また、iBooksは書籍のアップデートに対応しており、過去に購入した書籍が改訂されると、改訂版を無料でダウンロードできる。
iBookstoreには、青空文庫などの無料の書籍と有料の書籍があり、講談社、角川書店、文藝春秋、学研など、国内大手出版社の書籍を購入することができる。また、立ち読みに相当する「サンプル」と呼ばれるサービスがあるため、人気漫画や人気作家の小説などの内容の一部を、購入前に確認することが可能。
iBookstoreの電子書籍は、米電子出版関連団体「IDPF(国際電子出版フォーラム)」が開発した、世界標準の「EPUB」形式である。しかし、アマゾン社の電子書籍サイト「Kindleストア」の書籍が、iOSやAndroidなどKindle以外のデバイスで利用できるのに対し、iBookstoreの書籍はiOSデバイスのみでしか利用できない。このようなアップル社の戦略が、今後の電子書籍市場にどのような影響を及ぼすのか、注目の集まるところである。
(横田一輝 ICTディレクター / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報