ないじかく【内痔核 Internal Hemorrhoid】
歯状線(しじょうせん)より内側の静脈にうっ血(けつ)がおこると、その部分が排便の際にこすられて腫(は)れ上がり、しだいに大きくなって痔核が形成されてきます。
●症状
内痔核ができると、排便のときに鮮血がほとばしったり、ポタポタとたれたりします。しかし、歯状線よりも内側には知覚神経がないので、痛みを感じることはありません。
このような状態を放置しておくと、痔核が大きくなり、排便の際に痔核が肛門の外に脱出してくるようになります。症状がすすむと、粘膜(ねんまく)の下の固定組織が弱くなってきて、指で押しこんだり、逆立ちをしたりしないと肛門内にひっこまなくなってきます。さらにひどくなると、痔核が脱出したまま肛門内にもどらなくなります。この状態が脱肛(だっこう)です(「脱肛」)。
●分類
痔核の脱出の程度により、4段階に分類されています。
Ⅰ度
脱出はなく、出血のみ。
Ⅱ度
排便時に脱出するが、自然に肛門内にもどる。
Ⅲ度
排便時に脱出するが、指で押しもどせる。
Ⅳ度
脱出したままになり、押しもどしてもすぐにまた脱出する。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の内痔核の言及
【痔】より
… 痔核は上・下直腸静脈叢が静脈瘤様に拡張し,慢性の感染を起こしているものである。直腸と肛門の境界部より上方に発生するものを内痔核,下方に発生するものを外痔核という。上・下直腸静脈叢には吻合(ふんごう)連絡があり,両者に痔核が発生すると,内外痔核あるいは混合痔核とよばれる重症の状態となる。…
【脱肛】より
…肛門脱ともいい,内痔核性と真性の2種類がある。前者は俗によくいわれる脱肛であって,第3度の内痔核が長年月の間に持続的に脱出したままになってしまい,内痔核の脱出とともに健康な部分の粘膜までが肛門外に脱出,露出している状態をいう。…
※「内痔核」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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