20世紀西洋人名事典 「L.ブロア」の解説
L. ブロア
Léon Bloy
1846 - 1917
フランスの作家。
ペリグー生まれ。
作家バルベー・ドールビイの感化でカトリシズムを標榜。1886年発表のカトリック復興の起爆剤となった自伝的小説「絶望した男」は、パリの街娼との神秘的な共棲生活を縦糸とし、聖書の秘教的解釈を軸とする歴史観を基底に、同時代の教会と文壇を痛罵した小説。その後キリストの受難を歴史の中心にすえる苦悩観は第2の自伝的小説「貧しい女」(1897年)に引き継がれる。ジャック・マリタン夫妻、画家ルオーに深い影響を与えた。他の作品に「ユダヤ人による救い」(1892年)、「教会の最後の柱」(1903年)、「ナポレオンの魂」(’12年)などのほか「恩しらずの乞食」(1898年)、「絶対の巡礼者」(1914年)などの標題をもつ日記8巻などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報