ペリグー(読み)ぺりぐー(英語表記)Périgueux

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペリグー」の意味・わかりやすい解説

ペリグー
ぺりぐー
Périgueux

フランス南西部、ドルドーニュ県の県都。ドルドーニュ川支流イル川河畔に位置する。人口3万0193(1999)。ペリゴールPérigord地方の中心都市で、司教座の所在地、商業中心地。野菜、家畜の取引が行われる。フォアグラペーストトリュフ(ペリゴール・ド・トリュフ)などの食料品、たばこ皮革、化学などの工業がある。市の中心部は2地区からなり、西部のシテはローマ時代のベソナVesonaで、ガリア系のペトロコリイ人の首都であった。東部のピュイ・サン・フロンは5~9世紀に修道院の近くにできた町で、ペリグー両者が合併してできた。3世紀ローマの円形闘技場、12世紀ロマノ・ビザンティン様式のサン・フロン大聖堂(1852~1901修復)、12世紀のサンテティエンヌ教会、16世紀のサン・ジュアン礼拝堂など歴史的建造物が多い。

[青木伸好]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペリグー」の意味・わかりやすい解説

ペリグー
Périgueux

フランス南西部,ドルドーニュ県の県都。マシフサントラル (中央山地) の西縁,イール川沿岸に位置する。フォアグラ (ガチョウのレバペースト) ,トリュフ,ワインの産地として世界的に有名な美しい町。ブタの取引も盛んで,ほかに金属,たばこ,化学,繊維工業がある。有史前住居跡の多いドルドーニュの谷の観光中心地。ローマ軍道の渡河点として発達した古都で,市内にも 12世紀の聖フロン大聖堂 (13,16世紀の増築により,ロマネスク,ビザンチンなど様式が混在) ,12世紀の聖エティエンヌ聖堂,考古学資料の多い博物館があるほか,大闘技場などローマ時代の遺跡や,3世紀の城壁や城 (12~15世紀) も有名。人口3万 2848 (1990) 。

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