日本大百科全書(ニッポニカ) 「NAKIWARAI」の意味・わかりやすい解説
NAKIWARAI
なきわらい
土岐哀果(ときあいか)(善麿(ぜんまろ))の歌集。1910年(明治43)ローマ字ひろめ会発行。哀果の第一歌集で、ローマ字三行書き表記による。集の前半は、青春の哀歓を清純に歌った作が多く、後半に及んで、目覚めた意識による、日常生活を知的な口語的な発想によって歌った作に移行。石川啄木(たくぼく)が『朝日新聞』で批評し、交流の契機となった。表記の大胆な試行は啄木に影響を与えるとともに、作の韻律が清新な集。
[武川忠一]
Ishidatami,koborete utsuru Mizakura wo/Hirouga gotoshi!-/Omoiizuruwa.
『『土岐善麿歌集』(1971・光風社)』