試行(読み)シコウ

デジタル大辞泉 「試行」の意味・読み・例文・類語

し‐こう〔‐カウ〕【試行】

[名](スル)
ためしにやってみること。試みにすること。「新教授法を試行する」「試行期間」
さいころを振る実験のように、同一の条件もとで繰り返しのきく実験や観測を試みること。多く、結果が偶然的なものをいう。
[類語]試み試験実験テストエクスペリメント試みる試す小手調べ腕試し力試し運試し肝試し試走踏み絵トライ

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精選版 日本国語大辞典 「試行」の意味・読み・例文・類語

し‐こう‥カウ【試行】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ためしに行なうこと。こころみること。
    1. [初出の実例]「分析と綜合の数限りない試行」(出典:鉛筆ぐらし(1951)〈扇谷正造〉序に代えて)
  3. 同一の条件のもとで繰り返し行なうことのできる実験や観測。賽(さい)をふる実験のように、その結果が偶然に支配されて変化するものをさすことが多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「試行」の意味・わかりやすい解説

試行 (しこう)
trial

数学用語。くじを引くことや銅貨を投げて表裏を見ることなど,偶然現象を人為的に引き起こしたり,実験したりすることを試行という。これを繰り返して行うことが多く,実行した回数試行回数と呼ぶ。重要なのは独立試行で,同じ条件のもとで毎回前とは独立に繰り返して行うものである。とくに毎回2種類の実現の可能性しかなく(それらを成功および失敗と呼ぶことが多い),それらの起こる確率pqpq=1とする)がどの回も同じである独立試行をベルヌーイ試行という。試行回数がnのとき,k回成功する確率はnCkpkqnkとなり二項分布が得られる。一般に独立試行については,試行回数を大きくしたとき種々の極限定理が知られている。
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ASCII.jpデジタル用語辞典 「試行」の解説

試行

「n個からr個を取り出す」というような、同じ条件下で繰り返し行うことのできる実験や観測などのこと。それによって起こる結果を事象という。

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世界大百科事典(旧版)内の試行の言及

【確率】より

…多数の事象A1,A2,……があるとき,それらからいくつかかってに選んだAi,Aj,……,Akについて,つねに, P(AiAj∩……∩Ak)  =P(Ai)P(Aj)……P(Ak)が成り立つとき,もとの事象の系は独立であるという。
[試行]
 さいを投げる場合のように,結果が偶然的なもので排反事象の列A1,A2,……で表されるとし,それらのうちのどれか一つが必ず起こる,すなわちP(A1)+P(A2)+……=1であるときこれを試行という。さいを投げる場合なら等しい確率の6個の排反事象が,銅貨なら二つの排反事象が対応する。…

※「試行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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