日本大百科全書(ニッポニカ) 「NEXT11」の意味・わかりやすい解説
NEXT11
ねくすといれぶん
BRICs (ブラジル、ロシア、インド、中国)の次に成長が期待される新興11か国の呼称。11か国は、イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ。2005年12月、アメリカの証券会社ゴールドマン・サックスの経済調査部が名づけたもので、50年後の世界経済において、BRICs各国に次いで人口や潜在的な経済規模の大きさの点で成長の可能性を秘めた国々とされる。このうち韓国はすでに準先進国とみられているが、イラン、エジプト、ナイジェリア、パキスタンなどの諸国は内政が不安定であり、継続的な経済発展がむずかしい状況にある。
また、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和の縮小に伴って下落が進みやすい新興国通貨をさす呼称として、フラジャイル・ファイブ Fragile Five(脆弱(ぜいじゃく)な5通貨)がある。アメリカの総合金融サービス会社モルガン・スタンレーが名づけたもので、インド・ルピー、インドネシア・ルピア、トルコ・リラ、ブラジル・レアル、南アフリカ・ランドをさす。NEXT11の通貨も含まれており、その経済成長への懸念が示されている。
[編集部]