スタンレー(英語表記)Stanley, Sir Henry Morton

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタンレー」の意味・わかりやすい解説

スタンレー
Stanley, Sir Henry Morton

[生]1841.1.28. デンビー
[没]1904.5.10. ロンドン
アフリカ探検家,ジャーナリスト。旧名 John Rowlands。私生児として生まれ,15歳のとき救貧院を出た。リバプール発の帆船のボーイとなり,1859年にアメリカ合衆国のニューオーリンズに着いた。のち当地の貿易商ヘンリー・ホープ・スタンレーの養子となり,兵士,船乗り,ジャーナリストなどさまざまな職についた。アメリカに帰化したが,晩年イギリス国籍に戻った。1867年,『ニューヨーク・ヘラルド』紙のジェームズ・ゴードン・ベネットに,エチオピアテオドロス2世攻撃に出撃するイギリス遠征軍の従軍記者として派遣され,マグダラ陥落の第一報を書いた。1869年,消息不明のアフリカ探検家デービッド・リビングストン捜索の社命を受け,アフリカに渡った。1871年11月タンガニーカ湖畔のウジジで病中のリビングストンに遭遇。その後 2人は湖の北岸を調査。1874~77年に再びアフリカに渡り,ナイル川源流を探検したのち,白人として初めてタンガニーカ湖からコンゴ川を下って熱帯アフリカの横断に成功した。その後もコンゴ地方を中心に前後 4回にわたる探検を行ない,イギリス領アフリカの基礎をつくった。著書『暗黒大陸横断記』Through the Dark Continent(2巻,1878),『暗黒のアフリカ』In Darkest Africa(1890)など。1899年ナイトに叙された。

スタンレー
Stanley, Wendell Meredith

[生]1904.8.16. インディアナ,リッジビル
[没]1971.6.15. スペイン,サラマンカ
アメリカの生化学者で,ウイルス学創始者の一人。イリノイ大学に学び,1926~29年,R.アダムズについてハンセン病治療薬を研究したのちドイツに留学,H.ウィーラントに学んだ。 32年プリンストンのロックフェラー医学研究所動植物病理部に入り,おもにタバコの葉の病気であるモザイク病ウイルスを研究,35年にその結晶抽出に成功,ウイルスが従来の生存増殖という2特性をもつ生物特性と,結晶化しうる純粋物質の両面性をもつ中間的存在であることを実証,J.H.ノースロップおよび J.B.サムナーとともに 46年度ノーベル化学賞を受けた。 48年カリフォルニア大学化学教授およびウイルス研究所所長となった。 66年第9回国際癌学会に際して来日。日本学士院客員。 71年講演旅行中に心臓発作で急死した。

スタンレー
Stanley, Thomas, 1st Earl of Derby

[生]1435?
[没]1504
イギリスの貴族。ヨーク家のエドワード4世リチャード3世に重く用いられたが,リッチモンド伯エドマンドチューダーの未亡人マーガレット・ボーフォートと再婚したため,義子にあたるエドマンドの子ヘンリー (のちの7世) が 1483年挙兵するとこれに通じ,85年ボズワースの戦いでリチャード3世を見捨てヘンリー7世即位貢献。その功により,ダービー (伯家)を創設。

スタンレー
Stanley, Thomas

[生]1625. カンバーロウ
[没]1678.4.12. ロンドン
イギリスの哲学史家,詩人,翻訳家。ケンブリッジ大学,オックスフォード大学に学び,1648年オックスフォード大学教授。イギリスにおける最初の哲学史家として知られる。主著『哲学史』The History of Philosophy(3巻,1655~62)。

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世界の観光地名がわかる事典 「スタンレー」の解説

スタンレー【スタンレー】
Stanley

香港の南端にある、欧米人が多く住む高級住宅地。かつては小さな村だったが、1842年に香港島がイギリスに割譲されるころには香港最大の漁村となり、イギリス人の居住区となった。1845年に、イギリスの植民地大臣のスタンレー侯爵にちなみ、「スタンレー」と改名された。こうしたことから、この一角には洋風の瀟洒(しょうしゃ)な住宅やヨーロッパ風の墓地があり、海沿いのスタンレーマーケットには洒落た衣料品、雑貨、食品などの店が並んでいる。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

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