Y器官(読み)わいきかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「Y器官」の意味・わかりやすい解説

Y器官
わいきかん

節足動物甲殻類の頭部触角節または小顎(しょうがく)節にあり、直径10マイクロメートル前後の細胞の集合した内分泌器官で、Y腺(せん)ともいう。昆虫前胸腺と相同と考えられ、脱皮促進ホルモンのクルステクジソンcrustecdysoneを分泌する。このホルモンは前胸腺ホルモンのエクジソンecdysoneと構造、作用ともよく類似している。Y器官の働きは、眼柄中にあるサイナス腺を経て分泌されるX器官の神経分泌ホルモンにより抑制される。

[町田武生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「Y器官」の意味・わかりやすい解説

Y器官
ワイきかん
Y-organ

節足動物甲殻類の触角節または小顎節にある無道管の腺様組織。Y器官を除去すると脱皮が妨げられ,またこれを移植すると脱皮が誘発されることから,この器官は脱皮を促進するホルモンを分泌する内分泌腺であると考えられ,昆虫の前胸腺との類似が指摘されている。 (→X器官 )  

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