精選版 日本国語大辞典 「内分泌腺」の意味・読み・例文・類語
ないぶんぴつ‐せん【内分泌腺】
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消化器系、呼吸器系、泌尿・生殖器系、脈管系、神経系などの諸器官系にそれぞれ付属して体内に分散している器官(腺)。「ないぶんぴせん」とも読み、内分泌器ともいう。内分泌腺はさまざまなホルモンを産生し、直接、血管やリンパ管に入り、体内を循環する。したがって、内分泌腺組織には分泌物を外部に排出する導管がないのが特徴であるが、内分泌腺組織の内部には、毛細血管が豊富に分布している。内分泌腺としては、下垂体(脳下垂体)、松果体、甲状腺、上皮小体(副甲状腺)、胸腺、副腎(ふくじん)(腎上体)、旁節(ぼうせつ)(大動脈旁体、頸(けい)動脈小体など)、膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島(膵島)、精巣(睾丸(こうがん))の間細胞、卵巣の黄体および卵胞、胎盤などがあげられる。このほかに、唾液(だえき)腺、胃、小腸、脾臓(ひぞう)などもある種のホルモンを生産するといわれる。また、神経細胞にも、本来の刺激伝達の働きのほかに、ホルモンを分泌するもののあることが明らかにされている。ヒトの間脳にある室旁核、視索上核の神経細胞は抗利尿ホルモン、子宮筋収縮ホルモンなどを分泌する。こうした内分泌腺の働きは、位置している部位とは関係のない場合も多い。脳内の松果体、頸部の甲状腺と上皮小体、胸骨の裏面にある胸腺、腎臓上端に付着する副腎などがその例である。
[嶋井和世]
動物体内には種々の内分泌腺がある。脊椎(せきつい)動物では、視床下部、下垂体、甲状腺、鰓後(さいこう)腺、副甲状腺、膵臓、副腎、生殖腺、胎盤、松果体、腎臓、消化管、胸腺などが内分泌機能を営む細胞を含んでいる。無脊椎動物では、昆虫で脳、アラタ体、前胸腺、食道下神経節などが内分泌を行い、脱皮、変態、生殖、休眠といった諸現象を調節している。また、軟体動物の頭足類の脳と視葉をつなぐ部分にある眼腺(生殖巣の発達を促す)、甲殻類のエビやカニの眼柄(がんぺい)にあるX器官(神経分泌細胞群でその軸索の束はサイナス腺に終わる)、触角節や小顎(しょうがく)節にあるY器官が脱皮を調節するホルモンを分泌し、軟甲類の雄の生殖器官の一部に付着する造雄腺(性分化に関与する)などがよく知られている。また棘皮(きょくひ)動物のヒトデの神経組織から生殖巣を刺激する物質が分泌される。この物質は、卵巣の濾胞(ろほう)から卵成熟、配偶子放出を促す物質を分泌させることがみいだされたが、このような物質を分泌する細胞群も内分泌腺といえよう。
[菊山 栄]
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[外分泌腺と内分泌腺]
腺組織がもとの被蓋上皮と導管によって連絡しており,腺細胞から出された分泌物が導管を通って被蓋上皮のほうへ向かうものを外分泌腺exocrine glandという。これに対して,腺組織ともとの被蓋上皮との間にまったく連絡がなくなり,腺細胞から出された分泌物が,そこに分布する血管やリンパ管に出ていくものを内分泌腺endocrine glandという。つまり外分泌腺の場合には素材が血液(厳密には組織液)から腺細胞に摂取され,細胞内で分泌物が合成されて腺腔のほうへ出されるが,内分泌腺の場合は素材が摂取されたのと同じ方向へ分泌物が出される。…
…分泌物を蓄える腺腔をもつ腺と,特別の腺腔をもたず細胞内に分泌物を貯留しているものがある。前者はおもに外分泌腺,後者はおもに内分泌腺であるが,これには例外が多く,たとえば,外分泌腺でも消化管上皮の分泌腺は腺腔がなく,内分泌腺でも甲状腺には腺腔がある。 動物に発達している腺には,その生態や生活史と関連して特殊な機能を発揮しているものがある。…
※「内分泌腺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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