一管(読み)イッカン

デジタル大辞泉 「一管」の意味・読み・例文・類語

いっ‐かん〔‐クワン〕【一管】

笛・筆など、管の形のもの1本
能の囃子はやしの一形式。笛の奏者一人だけで演奏するもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「一管」の意味・読み・例文・類語

いっ‐かん ‥クヮン【一管】

〘名〙
① 笛、筆など管の形になっているもの一つ。
※文明本節用集(室町中)「一管 イックヮン 笛 筆」
※幸若・笛巻(室町末‐近世初)「笛を一くゎんかひとって」 〔晉書‐曹毗伝〕
能楽で、囃子方(はやしかた)うち笛方の一人が、能笛一本だけを謡曲に合わせて吹き奏でること。〔謡諸流名寄(古事類苑・楽舞一四)〕
③ (━する) 統一して管理したり支配したりすること。統治
※今昔較(1874)〈岡三慶〉上「夫六十州は至て広し〈略〉尽く是を一管する能はず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の一管の言及

【能】より

…(10)仕舞 クセ,クルイ,ノリ地などの舞いどころを,囃子なしに紋服等で舞う。(11)一管(いつかん) 笛1人で囃子事を変奏する。(12)一調(いつちよう) 打楽器1人と謡1人で打楽器の聞かせどころを変奏する。…

※「一管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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