主観論(読み)しゅかんろん(その他表記)subjectivism

翻訳|subjectivism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「主観論」の意味・わかりやすい解説

主観論
しゅかんろん
subjectivism

客観論に対する語。認識の根拠,実践の原理を主観に求める立場をいう。「万物の尺度は人間である」といった古代ギリシアのソフィスト,プロタゴラスや近代の G.バークリーの場合,主観は個人的主観であり,その立場は相対主義の立場である。これらの立場は極端に進むと,唯我論,不可知論にいきつく可能性をもっている。これに対してカントの場合,意識一般のもつ先験的統覚の概念が導入されることにより主観はその個人性が打破され,普遍的主観,超個人的主観が主張されている。したがってこの立場を徹底すれば客観主義に転じる可能性が見出され,事実,その後のドイツ観念論の展開,ことにヘーゲルにおいては客観主義に移行することになり,新カント派の主観主義からは E.ラスクの客観主義が成立した。現代の「生の哲学」や実存哲学においては主観は主観-客観の対立における主観ではなく,主体,主体性として解され,真理の問題が新たに主体性の観念からとらえ直されている。

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