口角部の皮膚と粘膜が発赤して亀裂を生じ,出血したり,白くただれて潰瘍となった状態をいう。口角炎,口角亀裂,口角潰瘍あるいは〈カラスの灸〉などとも呼ばれ,小児や中年以後の婦人に多くみられる。口角部に両側同時に現れることが多く,まれに片側にのみ生ずることもある。通常,皮膚に常在する細菌の感染がおもな原因であるが,その背景には糖尿病,低色素性貧血,抗生物質や副腎皮質ホルモン剤の長期投与,ビタミンB2群欠乏,高熱性疾患,重症慢性疾患による衰弱などの全身的誘因,あるいは唾液の分泌過剰,口腔乾燥等の局所的誘因があると考えられる。誘因となっている疾患の治療を行い,局所には抗生物質の軟膏,亜鉛華軟膏あるいはホウ酸ワセリンなどを塗布する。ビタミンB群複合剤と鉄剤の投与が有効なことが多い。
執筆者:砂田 今男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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