唇の両端の部分(口角部)の炎症で、口角びらんともいう。赤くただれたり、浅い亀裂(きれつ)や痂皮(かひ)(かさぶた)を生じ、痛みがあって口があけにくくなる。俗に「烏(からす)の灸(きゅう)」ともいう。また、びらんや亀裂が深く真皮ないし皮下層に達する組織欠損を形成するものは口角潰瘍(かいよう)とよばれる。原因としてはビタミンの欠乏、カンジダや化膿(かのう)菌の感染があるが、単純性疱疹(ほうしん)のこともある。ビタミンB2欠乏によるものは舌炎や角膜炎を伴うことが多く、カンジダ性口角炎は乳児や衰弱者、または抗生物質や副腎(ふくじん)皮質ホルモン連用中の人にカンジダが寄生して生じ、舌や口腔(こうくう)粘膜に白色のコケ状の病変(鵞口瘡(がこうそう))を伴う。化膿菌では連鎖球菌によるものが多く、扁桃(へんとう)炎や溶連菌感染症に伴うことが多い。また単純性疱疹が口角部に生じると、最初小水疱が群生し、やがて赤くただれたり痂皮をつくる。治療はそれぞれの原因に応じて行われ、ビタミンB2内服、抗真菌剤や抗生物質の軟膏(なんこう)を用いる。
[野波英一郎]
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…【田隅 本生】
[唇の病気]
口唇炎はいろいろな原因で生じた口唇部の炎症で,原因には外傷,感染,光線,アレルギーが挙げられるほか,全身性疾患の一症状のこともある。口角炎は,口角潰瘍,口角亀裂ともよばれ,口角の皮膚と粘膜の移行部が白くただれて潰瘍となった状態で,初めは乾燥して放射状に亀裂が生じ出血するが,後に唾液で膨化してはれ潰瘍状になる。口を開くときに痛み出血することがある。…
…口角部の皮膚と粘膜が発赤して亀裂を生じ,出血したり,白くただれて潰瘍となった状態をいう。口角炎,口角亀裂,口角潰瘍あるいは〈カラスの灸〉などとも呼ばれ,小児や中年以後の婦人に多くみられる。口角部に両側同時に現れることが多く,まれに片側にのみ生ずることもある。…
※「口角炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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