定言的命法(読み)ていげんてきめいほう(その他表記)kategorischer Imperativ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「定言的命法」の意味・わかりやすい解説

定言的命法
ていげんてきめいほう
kategorischer Imperativ

カントの説いた道徳法則の形式。道徳的実践は命令の形で理性に与えられるが,それは「もし…ならば,…せよ」というように,快とか幸福などのほかの目的のための手段として働くような仮言的性格のものであってはならず,単に「…せよ」という無条件的,絶対的なものでなければならない。それゆえ定言的命法といわれる。それは一切の感性的実質に依存しない純粋形式的な理性そのものの自律的命令である。道徳的理性の自己目的性に基礎をおく,カントのこのような形相的形式主義は,デカルト以来の主体主義的思潮に重要な一時期をもたらした。

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