授権法(読み)ジュケンホウ(その他表記)Ermächtigungsgesetz

デジタル大辞泉 「授権法」の意味・読み・例文・類語

じゅけん‐ほう〔‐ハフ〕【授権法】

全権委任法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「授権法」の意味・わかりやすい解説

授権法
じゅけんほう
Ermächtigungsgesetz

全権委任法とも言われる。近代ドイツ史において,ナチスに全権委任を許した 1933年3月 23日の特別法。正式には「民族および邦の危機を除去するための法律」 Gesetz zur Behebung der Not von Volk und Reichといわれ,議会大統領承認なしに政府が立法権を行使できる法律となっている。当初は4年間の時限立法であったが,更新を繰返し,ナチスの独裁に合法性を与えることになった。授権法とは本来,法律の委任を定める法律一般 (→委任立法 ) であって,日本の国家総動員法などもこれにあたるといえる。また,ドイツ近代史上ほかにも例がみられるが,33年のものが最も著名である。

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世界大百科事典(旧版)内の授権法の言及

【ヒトラー】より

…32年12月シュライヒャー首相によるG.シュトラッサー入閣の画策の失敗後,33年1月30日大統領ヒンデンブルクにより首相に任命される。 1933年3月5日の国会選挙でナチスは647議席のうち288議席を獲得し,同年3月23日の授権法により議会政治を排除,5月以降,政党,労働組合の解散を強行し,ナチスによる一党支配を確立した。34年6月レーム,シュライヒャー,G.シュトラッサーなど潜在的な敵対者を粛清(レーム事件)。…

※「授権法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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