火星の運河(読み)かせいのうんが(英語表記)canal of Mars

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「火星の運河」の意味・わかりやすい解説

火星の運河
かせいのうんが
canal of Mars

1877年 G.スキアパレリが火星表面の細い線条模様を観測し,これをカナリ (運河) と名づけた。それを実際に運河ではないかと考えた P.ローエルが詳細な研究を行い,全世界の耳目を集めた。運河派のおもな論旨は,極冠の氷が解けた水を赤道地方に運ぶ,なんらかの施設だというところにあり,これから火星文明への想像が生れて,人々の想像力をかきたてた。しかし,当時からその実在を疑い,単なる斑点連続にすぎないと考える者もいた。現在では,マリナー4号 (1965) 以後探測で,存在は否定されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android