極冠(読み)キョッカン

デジタル大辞泉 「極冠」の意味・読み・例文・類語

きょっ‐かん〔キヨククワン〕【極冠】

地球両極地方の緯度60度より高緯度領域。また地球電磁気学分野では、極光帯よりも内側の緯度65度~70度以上の領域をさす。
火星の両極地方に認められる白い部分。火星の夏にはほとんど消失し、冬に広がる。二酸化炭素が氷結したドライアイスであり、その下に水の氷が存在すると考えられる。

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精選版 日本国語大辞典 「極冠」の意味・読み・例文・類語

きょっ‐かんキョククヮン【極冠】

  1. 〘 名詞 〙 火星の両極の白く輝いて見える部分。面積が冬には増し、夏には減少するので雪であると考えられている。
    1. [初出の実例]「火星は毎晩南天に赤く燃えていた。新聞は、極冠について報じ」(出典:好奇心(1948)〈荒正人〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「極冠」の意味・わかりやすい解説

極冠
きょっかん
polar cap

火星の南北両極にある白色部分。夏季には減退してほとんど消失し,冬季に拡大することから,氷ならびに氷結した二酸化炭素が薄い層をなしているものと考えられる。かつてはこれが火星の運河に水を供給すると想像されていた。最初に存在を確認したのは G.カッシーニで 1666年のことである。

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百科事典マイペディア 「極冠」の意味・わかりやすい解説

極冠【きょっかん】

火星の南・北極に見られる白く輝く部分。火星の夏の終りにはほとんど消失し,冬の終りには緯度40°にも達する。氷雪の存在を示す。→火星

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改訂新版 世界大百科事典 「極冠」の意味・わかりやすい解説

極冠 (きょっかん)

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世界大百科事典(旧版)内の極冠の言及

【火星】より

…1636年フォンタナF.Fontana(1585‐1656)が表面に暗い部分のあることを発見,59年C.ホイヘンスが暗い模様の中でもっとも目だつ大シュルチスを図に書き残している。また,このころ,G.D.カッシニは極冠を発見している。19世紀半ばになるとスケッチなどに基づく火星地形図も整備されるようになり,19世紀末にはG.V.スキャパレリが運河状の模様があると指摘した。…

※「極冠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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