ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スキアパレリ」の意味・わかりやすい解説
スキアパレリ
Schiaparelli, Giovanni Virginio
[没]1910.7.4. ミラノ
イタリアの天文学者。トリノ大学卒業 (1854) 後,ドイツの J.エンケに師事。ブレラ天文台台長 (62~1900) 。 1861年小惑星ヘスペリアを発見。 66年ペルセウス座流星群が彗星 1862IIIと同様の軌道をもつことから,流星群が彗星の名残りであることを明らかにした。 77年の火星大接近の際,火星の表面を観測して,独特の条痕を発見し,それが運河ではないかという論議を巻起した。また水星,金星の自転周期が公転周期と同じであるという,1960年代まで広く受入れられた理論を提出した。晩年はヘブライ,バビロニアの天文学史の研究を行い『旧約における天文学』L'astronomia nell'antico testamento (1903) を出版した。
スキアパレリ
Schiaparelli, Elsa
[没]1973.11.13. パリ
1920~30年代にかけてパリで活躍したイタリアの女性服飾デザイナー。彼女が着ていた手製のセーターによって才能を認められ,ファッション界に入った。以来,セーターをはじめとして幅広くデザインを発表し,G.シャネルとともに今日のセーターの普及のきっかけをつくった。作風は自由奔放で,南国的で強烈な色彩を好んだが,なかでもショッキングピンク,アイスブルーは有名。またアクセサリーに特異な才能を示し,金属,木材,プラスチックなどの変化に富んだ材料を使った。第2次世界大戦後,ファッション界における支配力はかなり薄れ,1954年にオートクチュールの店を閉めた。
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