薔薇園(読み)ばらえん(英語表記)Gulistān

日本大百科全書(ニッポニカ) 「薔薇園」の意味・わかりやすい解説

薔薇園
ばらえん
Gulistān

ペルシアの詩人サーディーの作品。1258年作。ペルシア散文作品のなかで最高の位置を占め、中世以来もっとも名高い道徳教訓書として、広くペルシア語文化圏で愛読されてきた。散文を主体に多くの詩が詠み込まれ、実利主義基調となっている。序文と8章からなり、王者行状托鉢(たくはつ)僧の徳性、満足の徳、沈黙の利、愛と青春などについて、興味深い逸話が簡潔、清新な文体で叙述されている。

[黒柳恒男]

『蒲生礼一訳『薔薇園グリスターン』(平凡社・東洋文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「薔薇園」の解説

『薔薇園』(ばらえん)
Golestān

ゴレスターン』の名前でも知られる。イランの著名な詩人サーディーが1258年に書いたペルシア語散文学の名著。実践道徳が説かれ,最高の文学書,道徳書の一つとされている。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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