辻斬り(読み)ツジギリ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「辻斬り」の意味・わかりやすい解説

辻斬り
つじぎり

刀剣の切れ味を試すため、または武術を磨くために、武士が夜間往来の寂しい辻に立って不意に人に切りつける行為、またはそれを行う者をいう。辻切りとも書く。とくに江戸時代初期、戦国の殺伐たる気風がいまだ充満していたころ江戸市中を横行し、治安を乱した。斬り殺された死体が武家屋敷前に転がっていたこともあった。幕府は武家地に辻番を、町地に自身番を設置して警備させた。また、たびたび禁令を発し、辻斬りには引廻(ひきまわ)しのうえ死刑に処す厳罰を科した。武士に対し平民が無礼を働いたときは斬り捨ても許されたが、同輩同士の果たし合いに助太刀(すけだち)した者は処罰された。江戸中期に一時減少したが、幕末暗殺、辻斬り強盗の形で増加した。

稲垣史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

機械メーカー。トヨタグループの総本家で,繊維機械のほかトヨタ自動車からの小型商用車の受託生産,エンジンその他の自動車部品,フォークリフトなどの産業用車両の生産も行なう。1926年豊田佐吉が,みずから発...

豊田自動織機の用語解説を読む