野寺（読み）ノデラ

デジタル大辞泉

の‐でら【野寺】

山寺に対して、野の中にある寺。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

の‐でら【野寺】

[1] 〘名〙

① (山寺に対して) 野中にある寺。

※堀河百首（1105‐06頃）夏「雨風にあれのみまさる野寺には燈かほに蛍飛ひかふ〈藤原顕仲〉」

② 興福寺などの官寺に対して民間の寺をいう。

※日本後紀‐延暦一五年（796）一一月辛丑「始用_二新銭_一。奉_二伊勢神宮。賀茂上下二社。松尾社_一。亦施_二七大寺及野寺_一」

[2] 謡曲。廃曲。都の僧が、近江国歌坂野寺で昔小野時兼と契った龍女の化身の女性に会い、野寺のいわれを聞く。僧の夢の中に本性を現わした龍女は野寺の鐘の音とともに仏法を語る。

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【野寺】やじ

野中の寺。唐・岑参〔晩に五渡を発す〕詩　江村、片雨の外　野寺、夕陽の邊　、山徑にし　、田に雜(まじ)はる

字通「野」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」