岑参(読み)しんしん

精選版 日本国語大辞典 「岑参」の意味・読み・例文・類語

しん‐しん【岑参】

(「しんじん」「しんさん」とも) 中国、唐代の詩人。湖北江陵の人。嘉州四川刺史をつとめたことから岑嘉州と呼ばれる。戦場を往来し、辺境砂漠遠征別離の情をうたった詩は著名で、高適・王昌齢・王之渙らと共に辺塞詩人として名がある。詩集「岑嘉州集」がある。(七一五頃‐七七〇

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デジタル大辞泉 「岑参」の意味・読み・例文・類語

しん‐しん【岑参】

[715~770]中国、盛唐の詩人。江陵(湖北省)の人。西域節度使幕僚として辺境に滞在した体験から、辺境の風物を多くうたう。辺塞へんさい詩人として高適と並び称される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岑参」の意味・わかりやすい解説

岑参
しんしん
(715―770)

中国、唐代盛期の詩人。「しんじん」とも読む。江陵(こうりょう)(湖北省)の人。太宗のときの宰相岑文本(しんぶんぽん)の曽孫(そうそん)で、744年(天宝3)の進士。安西節度使、安西北庭都護の書記官として、再度、西域(せいいき)の砂漠生活をもち、その体験に基づく塞外詩(さいがいし)は、豊かな空想力のうちに異国情緒を生き生きとかき立て、唐詩のうちに独自の地位を占める。「君聞かずや胡笳(こか)の声の最も悲しきを、紫髯緑眼(しぜんりょくがん)の胡人吹く」という句に始まる「胡笳の歌」はことに有名である。安禄山(あんろくざん)の乱後、右補闕(うほけつ)として中央にあったころ、左拾遺(さしゅうい)の官にあった杜甫(とほ)の知遇を受ける。その詩集を『岑嘉州集(しんかしゅうしゅう)』とよぶのは、最終官が嘉州(四川(しせん)省)の刺史(しし)であったことによる。401編の詩と1編の散文を伝える。

[黒川洋一]

『鈴木修次著『唐代詩人論 上』(1973・鳳出版)』『小川環樹編『唐代の詩人――その伝記』(1975・大修館書店)』

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改訂新版 世界大百科事典 「岑参」の意味・わかりやすい解説

岑参 (しんじん)
Cén Shēn
生没年:715-770

中国,盛唐の詩人。荆州江陵(湖北省)の人。天宝3年(744)の進士で,嘉州(四川省)の刺史をつとめたことから岑嘉州と呼ばれる。西域の風物や従軍生活,異民族の文化を題材とした作品に秀作が多く,辺塞詩人の異名を取る。〈平沙万里 人烟を絶つ〉と歌う七言絶句〈磧中(せきちゆう)の作〉はその代表例。友人高適(こうせき)とともに〈高岑〉と並称され,また南宋の大詩人陸游に熱愛されるなど後世への影響も大きい。《岑嘉州詩》7巻が伝わる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岑参」の意味・わかりやすい解説

岑参
しんじん
Cen Shen

[生]開元3(715)
[没]大暦5(770)
中国,盛唐の詩人。荊州江陵 (湖北省) の人。天宝3 (744) 年進士に及第,安西節度使高仙芝 (こうせんし) の掌書記をはじめ,しばしば西北辺境地域の官についた。安禄山の乱のため,至徳1 (756) 年中央に帰り,殿中侍御史,起居舎人,庫部郎中などを経て嘉州 (四川省楽山県) の刺史に任じられたが,任期満了後都へ帰る途中,成都の旅舎で病没した。その官名によって岑嘉州とも呼ばれる。その詩は悲憤慷慨と評され,特に辺境での体験に基づくいわゆる「辺塞詩」はエキゾチックな雰囲気をもち,七言歌行に秀作が多い。高適 (こうせき) とともにいわゆる「辺塞詩人」の代表。詩集『岑嘉州詩』 (7巻) 。

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百科事典マイペディア 「岑参」の意味・わかりやすい解説

岑参【しんじん】

中国,盛唐の詩人。〈しんさん〉とも。江陵(湖北省)の人。744年に進士に及第した後,嘉州(四川省)の刺史をつとめ,西域のきびしい風物や人事をあるいは雄々しくあるいは悲壮に歌った。高適(こうせき)とともに辺塞(へんさい)詩の第一人者。《岑嘉州集》7巻がある。

岑参【しんさん】

岑参(しんじん)

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