精選版 日本国語大辞典 「阿蘭陀」の意味・読み・例文・類語
オランダ【阿蘭陀・和蘭陀・和蘭】
- [ 1 ] ( [ポルトガル語] Olanda ) ヨーロッパの北西部にある立憲君主国で、正式名称はネーデルランド王国([オランダ語] Koninkrijk der Nederlanden)。ライン、マース、スヘルデの三つの川がつくる三角州にあり、国土面積の約四分の一が海面より低い。一六四八年、スペインから独立、三次にわたる英蘭戦争を経て、一八一四年オランダ王国が成立した。首都はアムステルダム。古来、日本との関係が深く、慶長五年(一六〇〇)リーフデ号の豊後(大分県)漂着以来、鎖国中唯一の交易国となり、西洋の学術(蘭学)や文物はオランダを通じて日本にはいったものが多い。
- [ 2 ] 〘 名詞 〙
- ① 「オランダじん(━人)」の略。
- [初出の実例]「阿蘭陀も花に来にけり馬に鞍〈芭蕉〉」(出典:俳諧・江戸蛇之鮓(1679)春)
- ② オランダ人によって外国からもたらされたもの。舶来品。
- [初出の実例]「阿蘭陀といふも日本の呉服所」(出典:雑俳・冬ぼたん(1730))
- ③ ( おもに接頭語的に用いて ) 西洋風のもの、あるいは、新奇なもののことをいう。「オランダ漬」
- [初出の実例]「和蘭の術、我邦にて其奇巧を慕ひ、其制作に效ひて、擬製する物少からず」(出典:蘭学階梯(1783)上)
- ① 「オランダじん(━人)」の略。