ストックホルムの血浴(読み)ストックホルムのけつよく

改訂新版 世界大百科事典 「ストックホルムの血浴」の意味・わかりやすい解説

ストックホルムの血浴 (ストックホルムのけつよく)

デンマーク王クリスティアン2世のスウェーデン王即位直後の1520年11月8日と9日の両日,カルマル同盟反対派がストックホルム城前の大広場で大量処刑された事件。同盟実権はデンマークが掌握し,その支配下のスウェーデンではデンマークが支援する同盟派と反対派の紛争は絶えなかったが,デンマーク王は反対派を武力制圧してスウェーデン王に即位した。11月7日の戴冠式には反対派も招待され,その翌日国王の許可を得て同盟派の指導者グスタブ・トロレ大司教は,内乱中に教会が蹂躙されたとして異端審問を開き,即死刑を宣告して刑の執行を始め,2人の司教,大臣,貴族,市民など100人近くが処刑された。1928年にL.ベイブルが処刑の責任者とその目的をめぐって論争を起こし,その後異論も多いが,反対勢力を一掃するため処刑が行われたとする説が有力。事実,これを契機に長期にわたった内乱は鎮静化した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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