テウチグルミ(読み)てうちぐるみ(英語表記)oriental walnut

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テウチグルミ」の意味・わかりやすい解説

テウチグルミ
てうちぐるみ / 手打胡桃
oriental walnut
[学] Juglans regia L. var. orientis (Dode) Kitam.

クルミ科(APG分類:クルミ科)の落葉高木。中国に原産し、広く植栽される。高さ30メートル、径60センチメートル。樹皮は暗灰色で、初めは平滑で、のちに浅く縦に裂ける。葉は若葉どきは光沢があり、紅褐色を帯びる。雌雄同株。花は4~5月、開葉とともに開く。果実は10月に熟し、円形から楕円(だえん)形で、径4~5センチメートル。核は卵形あるいは楕円形、殻は薄く、2本の鈍い稜(りょう)があり、表面にはいくぶんしわがある。子葉は油質に富むので食用とされ、別名カシグルミ(菓子胡桃)ともよばれ、食卓用ナッツや菓子用とする。名は、核の殻が薄く簡単に壊れることに由来する。

[伊藤浩司 2020年2月17日]


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世界大百科事典(旧版)内のテウチグルミの言及

【クルミ(胡桃)】より

…日本の山野に自生しているクルミにはオニグルミJ.sieboldiana Maxim.(イラスト,イラスト)とヒメグルミJ.subcordiformis Dode(イラスト)とがある。栽培種には,ペルシア,カフカス地方の原産で明治初年にアメリカから導入されたペルシアグルミJ.regia L.と,古い時代に中国から朝鮮半島を経て渡来したテウチグルミJ.regia L.var.orientalis Kitamura(イラスト)とがある。テウチグルミはペルシアグルミの変種で,チョウセングルミ,カシグルミともいわれる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」