日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハルトラノオ」の意味・わかりやすい解説
ハルトラノオ
はるとらのお / 春虎尾
[学] Bistorta tenuicaulis (Biss. et S.Moore) Nakai
Polygonum tenuicaule Biss. et S.Moore
タデ科(APG分類:タデ科)の多年草。地下茎は長くはって肥厚し、先に数枚の葉が束になってつく。葉は長柄があり、卵状長楕円(ちょうだえん)形で長さ3~8センチメートル、先端はとがり、基部はくさび形で柄に沿下する。早春、7~15センチメートルの花茎を直立し、先端に長さ約3センチメートルの穂状花序をつくり、多数の白色花を密生する。痩果(そうか)は広楕円形で褐色。山地の日陰に生え、本州から九州に分布する。名は、花形をトラノオ(ゴマノハグサ科、APG分類:オオバコ科)に見立て、春に咲くトラノオの意味。また早春に開花するので、いろは四十七文字の最初の意味でイロハソウともいう。
[小林純子 2020年12月11日]