メチルドーパ

化学辞典 第2版 「メチルドーパ」の解説

メチルドーパ
メチルドーパ
Methyldopa

L-3-(3,4-dihydroxyphenyl)-2-methylalanineの商品名.C10H13NO4(211.22).α-(3,4-ジメトキシフェニル)アセトニトリルから数工程の反応を経て合成されたラセミ体から,L-メチルドーパを分離すると得られる.白色~帯灰白色の結晶性粉末.本品1 g は25 ℃ の水100 mL に溶ける.希塩酸に可溶,エタノールに難溶.約300 ℃ で分解する.λmax 281 nm(ε 2780).-3.0±0.5°.カテコールアミンの前駆体である3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)のα-メチル体である.降圧薬.高血圧症,腎性高血圧症に有効である.[CAS 555-30-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メチルドーパ」の意味・わかりやすい解説

メチルドーパ
methyldopa

α-メチルドーパ,アルドメットともいう。抗高血圧剤の一つ。経口投与後4~6時間を最大とする持続的な血圧下降作用を示す。静脈注射をしても,1~2時間は降圧作用が現れない。正常血圧の場合よりも高血圧の場合によく反応する。末梢血管抵抗,心拍数心拍出量などの減少も示す。経口投与の場合,50%程度が吸収され,多くは未変化か抱合体として尿中に排泄される。投与経路を問わず鎮静作用もみられるが,降圧作用よりも持続は短い。副作用は少いが,起立性低血圧のほか,浮腫,溶血性貧血,肝臓障害血小板減少症などがあげられる。

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