不亡鈔(読み)ふぼうしょう

改訂新版 世界大百科事典 「不亡鈔」の意味・わかりやすい解説

不亡鈔 (ふぼうしょう)

朱子学者室鳩巣の作とされる随想録。4巻。成立年代は不明。学問礼楽師範孝養,育児,忠義,主君,農工商,制禁,奉行武士平常,戦場,追腹等の諸項目にわたって,学問や家,為政,武士についての著者の見解を記している。文中に〈聖人の道は赤子の心〉〈天地万物同源一流〉などの朱子学とは異なった思想が述べられていて,偽作説の根拠ともなる。写本で伝えられた。《日本経済叢書》《日本経済大典》所収。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android