勧化(読み)カンゲ

デジタル大辞泉 「勧化」の意味・読み・例文・類語

かん‐げ〔クワン‐〕【勧化】

[名](スル)《「かんけ」とも》
仏の教えを説き、信心を勧めること。「衆生勧化する」
僧が仏寺仏像を造営するため、信者寄付を勧めて集めること。勧進

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「勧化」の意味・読み・例文・類語

かん‐げ クヮン‥【勧化】

〘名〙 (「かんけ」とも)
① 仏などの教えを説いて、教え導くこと。また、その教え。説教
※教行信証(1224)六「是以愚禿釈鸞、仰論主解義、依宗師勧化
歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)四「あまねく衆生を勧化し給ふ詞に」 〔大智度論‐三三〕
僧侶などが、寺の堂塔や仏像の建立(こんりゅう)などのため金品を信者に勧めて出させること。転じて、寺院に対する、一般の寄付を求めることもいう。勧進(かんじん)
※談義本・根無草(1763‐69)後「蓮花の大屋店賃を債れば、脱衣の老婆勧化をせつく」
③ 人の心をある方向へすすめ導くこと。ある事柄を人々にすすめること。
※俳諧・一字般若(1772)「七名八躰は全く支考が著すものなれば三師用ひらるべきよふなし。田舎の学は是を出す。蓼専ら是を勧化す」

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普及版 字通 「勧化」の読み・字形・画数・意味

【勧化】かんか

すすめて感化する。

字通「勧」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の勧化の言及

【勧進】より

…金品募集の手段として神仏の功徳を説く方法は,14世紀中葉には《師守記》の1364年(正平19∥貞治3)の条に〈薬王寺勧進猿楽〉とあるように,芸能によることもあり,近世には〈勧進相撲〉〈勧進芝居〉も広く行われるようになった。江戸時代の勧進(勧化(かんげ))は,その許可方式に基準をおくと〈御免勧化(ごめんかんげ)〉と〈相対(あいたい)勧化〉の2種類がある。御免勧化は寺社修復助力のために,幕府が寺社奉行連印の勧化状を寺社に与えて許可する方式で,村々には勧化にやってくる寺社名,時期,また勧化する者が回国する国名などを記した触書を出して,信者は物の多少によらず寄進するように伝えた。…

※「勧化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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