口籠(読み)クツコ

デジタル大辞泉 「口籠」の意味・読み・例文・類語

くつ‐こ【籠】

《「くつご」とも》牛馬などの口にはめるかご。かみついたり農作物を食べたりしないようにするもの。鉄や縄で作る。くつのこ。

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精選版 日本国語大辞典 「口籠」の意味・読み・例文・類語

くち‐ごも・る【口籠】

〘自ラ五(四)〙
① 声やことばが口の中にこもってはっきりしない。くごもる。
吾妻鏡‐仁治元年(1240)正月二四日「自昨日辰刻口籠。去夜絶入」
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉七七「苦む声が口籠って外へ漏れませぬ」
② 言いこめられたりして、ことばにつまる。どもる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
滑稽本八笑人(1820‐49)二「サアそれはエエト口塞(クチゴモル)を見て」
③ 言いかけてやめる。言いしぶる。ためらって、はっきりと言わない。
人情本・閑情末摘花(1839‐41)三「何処だへ、この近所かねと問はれては猶口隠(クチゴモ)り」
明暗(1916)〈夏目漱石〉一四六「吉川夫人の名を云はうとして、一寸口籠った時」

くつ‐こ【口籠】

〘名〙 (「くつご」とも) 牛馬などの口にはめるかご。農作物や道の草を食わないように、また、人にかみつくのを防ぐためのもので、鉄またはなわの網で作る。くちのこ。くつろご。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※雑俳・媒口(1703)「心から・人喰馬の常口籠」

く‐ごも・る【口籠】

〘自ラ四〙 =くちごもる(口籠)①〔改正増補和英語林集成(1886)〕
即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉落飾「流石にしばし口籠(クゴモ)りて」

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