一寸(読み)イッスン

デジタル大辞泉の解説

いっ‐すん【一寸】

尺貫法の長さの単位。→
わずかな時間・距離・量、また小さい物事のたとえ。「一寸のひまも惜しむ」「一寸のすきもない構え」

ちょっ‐と【一寸/鳥渡】

[副]《「ちっと」の音変化。「一寸」「鳥渡」は当て字》
物事の数量・程度や時間がわずかであるさま。すこし。「―昼寝をする」「―の金を惜しむ」「今度の試験はいつもより―むずかしかった」
その行動が軽い気持ちで行われるさま。「―そこまで行ってくる」
かなりのものであるさま。けっこう。「―名の知れた作家」
(多くあとに打消しの語を伴って用いる)簡単に判断することが不可能なさま、または、困難であるさま。「私には―お答えできません」「詳しいことは―わかりかねます」
少(すこ)し[用法]
[感]1の述部を省略したもの》人に軽く呼びかける語。「―、お客さん」

ちょ‐と【一寸/鳥渡】

[副]《「ちと」の変化した語。「一寸」「鳥渡」は当て字》「ちょっと」に同じ。
「―一目(いちもく)見た所では」〈福沢福翁自伝

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

いっすん【一寸】

一尺の10分の1。約3.03センチメートル。 →
短い距離・時間・寸法。わずかなことのたとえ。 「 -たりとも動かさない」 「 -のばし」 「 -きざみ」 〔副詞的用法の場合、アクセントは [0]

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

いっ‐すん【一寸】

〘名〙
① (長さの単位) ⇒すん(寸)
② わずかなことをたとえていう。
(イ) わずかな距離。
※虎明本狂言・空腕(室町末‐近世初)「一寸もひくなと申てござる程に」
(ロ) わずかな時間。
※今昔(1120頃か)一五「一寸の暇を惜て法花経を読誦し」
(ハ) わずかな量。小さなこと。ちょっと。
※本朝文粋(1060頃)九・於左監門宗次将文亭聴講令詩序〈大江以言〉「披三尺而初学、摧一寸而憗記」 〔晉書‐庾亮伝〕
③ 操人形の頭(かしら)の名。「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」の、一寸徳兵衛に使用したことによる。〔楽屋図会拾遺(1802)〕
④ 江戸時代、元祿期(一六八八‐一七〇四)ごろの、端(はし)女郎の一種。揚げ代が銀一匁の遊女。月(がち)
※浮世草子・御前義経記(1700)一「端女郎は鹿恋(かこひ)より下、みせ女郎といふなり〈略〉位は一を壱寸とも、月(ぐゎち)ともいふ」
⑤ 三枚ガルタで、銭を計算するとき用いる語。
※随筆・独寝(1724頃)下「牌子(はいし)に三枚にてするをかぶといふなり。是も目を十引(ひき)て、あとにて一寸二寸とかぞふるといへり」
⑥ 近世、大工仲間の隠語で、銭百文のこと。
※新ぱん普請方おどけ替詞(1818‐30頃か)「ぜに百文を、一寸」

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