一寸(読み)いっすん

精選版 日本国語大辞典「一寸」の解説

いっ‐すん【一寸】

〘名〙
① (長さの単位) ⇒すん(寸)
② わずかなことをたとえていう。
(イ) わずかな距離。
※虎明本狂言・空腕(室町末‐近世初)「一寸もひくなと申てござる程に」
(ロ) わずかな時間。
※今昔(1120頃か)一五「一寸の暇を惜て法花経を読誦し」
(ハ) わずかな量。小さなこと。ちょっと。
※本朝文粋(1060頃)九・於左監門宗次将文亭聴講令詩序〈大江以言〉「披三尺而初学、摧一寸而憗記」 〔晉書‐庾亮伝〕
③ 操人形の頭(かしら)の名。「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」の、一寸徳兵衛に使用したことによる。〔楽屋図会拾遺(1802)〕
④ 江戸時代、元祿期(一六八八‐一七〇四)ごろの、端(はし)女郎の一種。揚げ代が銀一匁の遊女。月(がち)
※浮世草子・御前義経記(1700)一「端女郎は鹿恋(かこひ)より下、みせ女郎といふなり〈略〉位は一を壱寸とも、月(ぐゎち)ともいふ」
⑤ 三枚ガルタで、銭を計算するとき用いる語。
※随筆・独寝(1724頃)下「牌子(はいし)に三枚にてするをかぶといふなり。是も目を十引(ひき)て、あとにて一寸二寸とかぞふるといへり」
⑥ 近世、大工仲間の隠語で、銭百文のこと。
※新ぱん普請方おどけ替詞(1818‐30頃か)「ぜに百文を、一寸」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「一寸」の解説

ちょっ‐と【一寸/鳥渡】

[副]《「ちっと」の音変化。「一寸」「鳥渡」は当て字
物事の数量・程度や時間がわずかであるさま。すこし。「―昼寝をする」「―の金を惜しむ」「今度の試験はいつもより―むずかしかった」
その行動が軽い気持ちで行われるさま。「―そこまで行ってくる」
かなりのものであるさま。けっこう。「―名の知れた作家」
(多くあとに打消しの語を伴って用いる)簡単に判断することが不可能なさま、または、困難であるさま。「私には―お答えできません」「詳しいことは―わかりかねます」
すこ[用法]
[感]1の述部を省略したもの》人に軽く呼びかける語。「―、お客さん」
[類語](1少し少ない少少いささかいくらかいくぶんややちとちっとちょっぴりなけなし若干一抹心ばかり印ばかり形ばかり少しく心持ち気持ち多少二三少数少量僅僅わずか数えるほどたったただたかだか低い手薄少なめ内輪軽少軽微微弱微微微少僅少些少最少微量ちびちび一つまみ一握り一息紙一重雀の涙鼻の差残り少ないちょこっとちょこんとちょっこりちょびちょびちょびっとちょぼちょぼちょろりちょんびりちょんぼりちらり爪の垢小口ささやか寸毫プチ(時間的に)少時寸時一時いちじ一時いっとき一時ひとときひとしきり暫時片時しばらくちょっくらちょいと

ちょ‐と【一寸/鳥渡】

[副]《「ちと」の変化した語。「一寸」「鳥渡」は当て字》「ちょっと」に同じ。
「―一目いちもく見た所では」〈福沢福翁自伝

いっ‐すん【一寸】

尺貫法の長さの単位。→
わずかな時間・距離・量、また小さい物事のたとえ。「一寸のひまも惜しむ」「一寸のすきもない構え」
[類語]寸分何等なんら全然全く一向さっぱりまるきりまるで少しもからきしちっとも皆目一切まるっきりとんといささかも毫も微塵も毛頭更更何もなんにも何一つ一つとして到底とても全くもってどだいてんで寸毫毫末夢にも

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