審詳(読み)しんじょう

改訂新版 世界大百科事典 「審詳」の意味・わかりやすい解説

審詳 (しんじょう)

奈良時代の華厳宗学僧生没年不詳。審祥とも書く。《一乗開心論》などの華厳宗の古伝記は〈青丘留学生〉とし,新羅国に留学して華厳教学を学び,帰国後は平城右京の大安寺に止住していた。良弁(ろうべん)の華厳興隆の請により,740年(天平12)10月より3年間,金鐘寺において《華厳経》60巻(旧訳)を講じ,慈訓,鏡忍,厳智など多くの学僧を指導し,後の東大寺盧舎那大仏造立の教理的研究を果たした功は大きい。良弁にかわって日本華厳宗の初祖とする説もあるが,その俗姓は明らかでない。新羅留学中に元暁,義湘,大行,義寂など新羅の学僧の多くの著書を書写請来し,光明皇后の写経所,東大寺写経所などで書写され,その所蔵本目録は審詳師経録といわれ,今日170部645巻を数えることができる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「審詳」の読み・字形・画数・意味

【審詳】しんしよう

審悉

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