岸=アイゼンハワー共同声明(読み)きし=アイゼンハワーきょうどうせいめい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

岸=アイゼンハワー共同声明
きし=アイゼンハワーきょうどうせいめい

1960年1月 19日,ワシントン D.C.で D.アイゼンハワー大統領,岸首相が日米安全保障条約の運用について「事前協議」を確約したことが中心となっている共同声明。全体としてコミュニケの形式になっており,岸=アイゼンハワー会談の内容が語られている。日米新安全保障条約の正式署名の前に岸信介首相は藤山愛一郎外相とともにアイゼンハワー大統領,C.ハーター国務長官と会談を行なった。この会談で,日米首脳は国際情勢を検討し,日米の協力を強調して,新安保条約の重要性を主張した。さらに両国貿易関係の緊密さを維持すべき点で合意した。とりわけ,新安保条約第6条の「事前協議」について,アイゼンハワーは「日本政府の意思に反して行動する意図のない」ことを保証した。「事前協議」は交換公文によって両国代表が公約したもので,(1) 日本へ配備しているアメリカ軍における重要な変更 (大部隊の増派など) ,(2) 同軍隊の装備における重要な変更 (核を装備するなど) ,(3) 日本の基地から行う戦闘作戦などはすべて事前に協議することになっていた。

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