市民民主党[チェコ](読み)しみんみんしゅとう[チェコ](英語表記)Obcanská Demokratická Strana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市民民主党[チェコ]」の意味・わかりやすい解説

市民民主党[チェコ]
しみんみんしゅとう[チェコ]
Obcanská Demokratická Strana

チェコ政党。 1991年旧チェコスロバキア市民フォーラムからバツラフ・クラウス蔵相ら右派勢力が分離し結成した。旧市民フォーラムの半分近い支持者を引継いだといわれ,おもな支持基盤は,都市部の企業家や学生など経済改革に肯定的な層である。基本路線は,非共産主義,個人の自由の尊重,キリスト教文明の擁護の立場をとるが,民族主義的な色彩は薄い。 92年6月の総選挙ではキリスト教民主同盟と連立して戦い,民営化路線の継続,財政均衡への努力,西側諸国との友好を唱えて第1党に躍進した。クラウス党首はスロバキア側のメチアル民主スロバキア運動党首と交渉を重ね,93年1月チェコとスロバキアは正式に分離独立を達成した。独立後もキリスト教民主同盟らとクラウス連立内閣の枠組みを維持し,96年5月分離後初の総選挙でも第1党を確保,第2次クラウス内閣が発足した。しかし 97年 11月に政治献金疑惑でクラウス内閣は総辞職し,98年1月にはクラウス議長に反発するグループが離党し自由連合を結成した。そうした影響もあり同年6月の総選挙では中道左派社会民主党に第1党の座を奪われた。

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