後(跡)ガス(読み)あとガス(英語表記)fume
after gas(damp)

改訂新版 世界大百科事典 「後(跡)ガス」の意味・わかりやすい解説

後(跡)ガス (あとガス)
fume
after gas(damp)

爆破作業を行った際に,火薬類から発生するガス。二酸化炭素(炭酸ガス),窒素ガス水蒸気主成分とするが,有毒の一酸化炭素,酸化窒素などを含むことがあり,坑道内などの狭い場所で拡散が不十分な場合に,これを吸引して中毒をひきおこすことがある。有害ガスではないが,酸素不足(いわゆる酸欠)による障害をおこすこともあるので,爆破作業の直後には,このような場所には立ち入らないように注意し,また,十分な空気を送ってガスを散逸させる必要がある。坑内火災ガス爆発炭塵爆発粉塵爆発)などによって生じたガスをいう場合もあり,この場合はとくに一酸化炭素が問題になる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の後(跡)ガスの言及

【大気汚染】より

…大気汚染発生源の多様化により,重金属,放射性物質,各種化合物塩類,錯塩,キレートなどが含まれるようになり,肺の深部まで到達する。 フュームfume融解した物質が酸化などの化学反応や揮発によって核となり,気体状大気汚染物質が凝縮してエーロゾルとなったもの。 ミストmistもやのこと。…

※「後(跡)ガス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」