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ガス爆発 ガスばくはつgas explosion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガス爆発
ガスばくはつ
gas explosion

たとえば水素のように爆発しやすいものでも,適当な条件を満たさなければ,爆発しないばかりでなく燃焼もしない。水素と空気の混合したガスに例をとれば,混合組成 (容積%) が常温,1気圧で 4.1%以下または 74.2%以上では燃焼しない。 4.1%から 18.3%の間あるいは,58.9%と 74.2%の間では通常の燃焼をし,この場合の燃焼伝播速度は数 cm/sから数m/sである。ところが 18.3%と 58.9%の間では燃焼がある程度進むと,爆ごうといわれる状態になり,速度は数千m/sと異常に速く,大きな圧力を及ぼし破壊作用をする。この状態をガス爆発という。しかし通常の燃焼でも,ガスと空気または酸素が混りながら燃焼するのに比べ,あらかじめ混合されたガスの燃焼は激しいので,これをガス爆発ということもある。炭鉱の爆発事故はメタンガスなどによる爆発と粉塵爆発 (炭塵) との混合型であることが多い。

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百科事典マイペディアの解説

ガス爆発【ガスばくはつ】

一般にはデトネーションおよびそれに準ずる急速なガスの燃焼。炭鉱では坑内で発生するメタンが空気と混じり爆発限界に達して火気,電気火花,摩擦熱などにより爆発する現象。
→関連項目ガス突出鉱山災害坑内ガス炭鉱落盤

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世界大百科事典 第2版の解説

ガスばくはつ【ガス爆発 gas explosion】

水素,メタン,プロパンのような可燃性ガスやガソリン,アルコールなどの可燃性蒸気が空気と燃焼範囲(可燃範囲,爆発範囲ともいう)内の組成に混合しているとき,これに点火して生じた火炎は,そこを中心に周囲に伝播していく。火炎は2000℃前後の高温であるため,燃焼ガスは膨張し,空間が閉じていれば,そこの圧力は上昇する。本来,ガス爆発とは,このような可燃性混合気中の火炎伝播の現象を指す。しかし,空間条件は多岐にわたるので,現実には多くのガス爆発の形態があり,ふつうこれらは次の三つに分類できる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガス爆発
がすばくはつ
gas explosion

気体がきわめて大きな速度で発熱反応をおこし、急激に膨張して衝撃的な圧力波を生じる現象。最近、家庭用のプロパンガスの爆発も報道されているが、ここでは炭鉱坑内でおこったメタンガス爆発についてのみ説明する。
 古い地質時代に繁茂していた倒木が水流にのって集積し、土砂をかぶって上下からの圧力と地熱の作用で石炭になった。これを石炭化作用というが、長年月の間に樹木体を構成していた炭素、酸素、水素などの有機化合物が分解し、炭素分だけが残って石炭になる。その過程で水素分はメタンガスとなり分離し、酸素分は二酸化炭素に変化する。前者の反応を脱メタン作用、後者を脱炭酸作用という。この二つの気体のうち二酸化炭素は水に溶けて散逸し、メタンガスの一部は放散消失するが、残りは炭層中に収蔵されていることが多い。炭層の採掘が始まると、収蔵メタンが放出し、坑内に新鮮な空気を送り込む目的で行っている通気と混じり合い、空気・メタン混合気ができあがる。この混合気中のメタンガス含有率が5~15%の範囲にあるとき、それに火がつくと激しい爆発となる。いわゆる炭鉱のガス爆発という惨事である。爆発の火源は発破(はっぱ)、電気火花などが多いが、炭層の自然発火も火源となりうる。
 実験によれば、爆発によって生ずる圧力は数気圧、温度は千数百℃にもなることが確かめられているが、実際の坑内では多くても2~3気圧、1000℃内外であろうと推定されている。それでも爆発による圧力、温度のため、付近にいた人を十分殺傷する力をもっているのは過去の炭鉱爆発の例が示している。
 ガス爆発の恐ろしさは、その後、炭塵(たんじん)爆発を誘発することが多く、そのときは圧力、温度ともにさらに高くなり、そのうえ多量の一酸化炭素が発生する。そのため災害がいっそう大きくなる。たとえば、1965年(昭和40)6月の237人の死亡者を出した三井山野炭鉱の爆発、同じ年の62人の死者の出た北炭夕張第一鉱の事故などはそれである。
 ガス爆発の防止策は、(1)坑内の通気をよくしてガスを爆発しない程度に薄めて排出すること、(2)火源は発破および電気火花などが多いため、安全管理のため切羽(きりは)面に水流を噴射しながら行うシャワー発破、(3)爆発限界濃度を検知するガス自動警報器に連動する電源の自動遮断装置などが開発されているので、坑内の要所要所に設置するなどの方法がある。[磯部俊郎]
『山田穣著『鉱山保安ハンドブック』(1958・朝倉書店)』

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