精選版 日本国語大辞典 「御火焚・御火焼」の意味・読み・例文・類語
お‐ひたき【御火焚・御火焼】
〘名〙 (「お」は接頭語) 陰暦一一月八日に京都を中心に行なわれた神事。宮中では内侍所の御神楽(おかぐら)などがあり、神社では神前に新穀の神饌と神酒をそなえ、神楽を奏し、庭上で清火をたく。民間では製茶、製瓦、鍛冶(かじ)、風呂屋など火を用いる家が火をまつる。宮中の神事は一条天皇のころに始まるという伝承があり、最近は鍛冶屋の韛祭(ふいごまつり)におもかげをとどめている。おほたき。《季・冬》
※俳諧・類船集(1676)美「御火焼(ヲヒタキ)のそなへ物に大かたみつかんおほし」
[補注]古くは「(お)ほたき」「ほたけ」で、「(お)ひたき」の語形がみえるのは江戸時代になってから。
お‐ほたき【御火焚・御火焼】
〘名〙 (「お」は接頭語。「おほだき」とも) =おひたき(御火焚)《季・冬》
※御湯殿上日記‐明応六年(1497)一一月一九日「御かうの宮の御ほたきのかちん、御とひまいる」
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