御門・帝(読み)みかど

精選版 日本国語大辞典 「御門・帝」の意味・読み・例文・類語

み‐かど【御門・帝】

〘名〙 (「み」は接頭語)
① 門をいう尊敬語。ごもん。
万葉(8C後)二・一八六「一日には千遍(ちたび)参りし東(ひむがし)の大き御門(みかど)を入りかてぬかも」
② 家、屋敷をいう尊敬語。御殿御所
※古事記(712)下・歌謡纏向の 日代の宮は 朝日の 日照る宮〈略〉真木栄(まきさ)く 檜(ひ)の美加度(ミカド) 新嘗屋に 生ひ立てる」
③ 特に、天子・天皇の居処。朝廷。政府。政庁
※続日本紀‐文武元年(697)八月一七日・宣命「天皇(すめら)が朝庭(みかど)の敷き賜ひ行ひ賜へる国の法を過ち犯す事無く」
④ 天子、天皇の位。帝位。皇位
※栄花(1028‐92頃)月の宴「十一の御子寛明の親王と申しける、みかどにゐさせ給ひて、十六年おはしまして後におりさせ給ておはしましけるをぞ、朱雀のみかどとは申ける」
⑤ 天子、天皇の尊称。
※伊勢物語(10C前)一六「み世のみかどにつかうまつりて」
※中外新聞‐慶応四年(1868)五月九日「ミカド及び大君に敵対せし時も各国亦其法に遵へり」
⑥ 天子、天皇の治める国。帝国。皇国。
※万葉(8C後)一九・四二四五「荒き風 波にあはせず 平けく 率て帰りませ もと国家(みかど)に」
⑦ (闈) 「みかど(御門)のつかさ」の略。

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