恐惶(読み)キョウコウ

デジタル大辞泉 「恐惶」の意味・読み・例文・類語

きょう‐こう〔‐クワウ〕【恐×惶】

[名](スル)
おそれること。おそれかしこまること。恐懼きょうく
弟子たちの困憊こんぱいと―との間にあって」〈中島敦・弟子〉
改まった手紙末尾に書き添え、相手敬意を表す語。

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精選版 日本国語大辞典 「恐惶」の意味・読み・例文・類語

きょう‐こう ‥クヮウ【恐惶】

〘名〙
① かしこまりつつしむこと。おそれかしこまること。恐懼(きょうく)
※後二条師通記‐寛治七年(1093)二月三日「常可参仕由、風聞承之、恐惶罔極、冝此趣洩啓」 〔呉越春秋‐句践伐呉外伝〕
② おそれること。恐怖
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉八「印度豊作の意外の報道、四方の米市場に達せしかば、商賈の恐惶(キョウコウ)は譬ふるに物なく」
書状などの末尾に記す書止めの文言。相手に敬意を表わす。「恐惶謹言」と熟して用いることが多い。
※消息耳底秘抄(13C初)「恐惶事 主人師匠父に是を可書」

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普及版 字通 「恐惶」の読み・字形・画数・意味

【恐惶】きようこう(くわう)

恐懼。〔呉越春秋、勾践伐呉外伝〕陣兵未だ濟(わた)らざるに、秦兵る。侯怖懼(ふく)して、皆惶す。

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