時節柄（読み）ジセツガラ

デジタル大辞泉

じせつ‐がら【時節柄】

［名］時節にふさわしいこと。時分柄。
「―の新茶は香かおりは高くとも」〈藤村・夜明け前〉
［副］時節が時節なので。時分柄。「時節柄早めにお召し上がり下さい」「時節柄おからだを大切に」
[類語]折から

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

じせつ‐がら【時節柄】

[1] 時節にふさわしいこと。ちょうどその時節にあっていること。また、ちょうどその時節であること。時候柄。時分柄。

※浮世草子・西鶴伝授車（1716）四「時節柄(ジセツカラ)なる蚫(あわび)の薄肉に、花咲春の桜苔(のり)」

※門（1910）〈夏目漱石〉六「時節柄(ジセツガラ)とでも云ふのか火鉢が一番多く眼に着いた」

[2] 〘副〙 こういう時節だから。時期が時期だから。

※当世書生気質（1885‐86）〈坪内逍遙〉一「『カハウソ』の帽子を眉深(まぶか)にいただきたるは、時節柄(ジセツガラ)些し暖(あつ)さうなり」

出典　精選版 日本国語大辞典