来民(読み)くたみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「来民」の意味・わかりやすい解説

来民
くたみ

熊本県山鹿市(やまがし)鹿本(かもと)町のほぼ中央部にある中心地区。町立ては古く、1632年(寛永9)の細川忠利(ただとし)、肥後(ひご)領有の機にある。当時の湯町(ゆまち)(山鹿市)と隈府(わいふ)(菊池市)とを結ぶ往来筋(国道325号)の中間的位置にあっただけでなく、平安時代に入国した藤原光重(みつしげ)の産業振興も町立てに先鞭(せんべん)的な役割を果たした。京都、丸亀(まるがめ)とともに、団扇(うちわ)の日本三大産地を形成してきたが、現在では数軒に衰退し、遊休施設を利用したカレンダー生産が増えている。

[山口守人]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「来民」の意味・わかりやすい解説

来民
くたみ

熊本県北部,山鹿盆地中部にある山鹿市鹿本町の中心集落。旧町名。 1955年稲田村,中富村の2村と合体して鹿本町となる。農林産物の集散地。江戸時代以来渋うちわの特産地として知られた。

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世界大百科事典(旧版)内の来民の言及

【鹿本[町]】より

…菊池川中流の菊鹿((きくろく))盆地の中央部を占め,西は山鹿市に接する。中心の来民(くたみ)は,江戸時代には山鹿新町と呼ばれ,農産物の集散地として栄えた。基幹産業は農業で,米,プリンスメロン,菊の生産が盛ん。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」