桜紙(読み)サクラガミ

デジタル大辞泉 「桜紙」の意味・読み・例文・類語

さくら‐がみ【桜紙】

反故ほご紙をすきかえした、小判で薄く柔らかい和紙ちり紙などに使う。現在では、マニラ麻化学パルプ原料として製する。

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精選版 日本国語大辞典 「桜紙」の意味・読み・例文・類語

さくら‐がみ【桜紙】

〘名〙 和紙の一種もと反古紙(ほごし)を漉(す)きかえして、現在はマニラ麻、わらなどの繊維を用いて製する、小判の薄い柔らかなもの。ちり紙などに用いる。
※性に眼覚める頃(1919)〈室生犀星〉「桜紙を十字にむすんだ縁結びを金毘羅さんの格子に括ったりして」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「桜紙」の意味・わかりやすい解説

桜紙
さくらがみ

和紙の故紙(こし)(ふるがみ)を漉(す)き返して再製した薄い紙のこと。この名は、コウゾ(楮)を原料とした薄くて美しい吉野紙にあやかって(吉野は吉野桜が有名)つけられたという。江戸時代には遊里のちり紙などに用いられた。近年では、マニラ麻や化学パルプを原料とした機械漉きの紙が、桜紙の名でよばれている。

[町田誠之]

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