梅ヶ島(読み)うめがしま

改訂新版 世界大百科事典 「梅ヶ島」の意味・わかりやすい解説

梅ヶ島[温泉] (うめがしま)

静岡北部,静岡市葵区梅ヶ島にある温泉。単純硫黄泉,41℃。安倍川上流,八紘(はつこう)嶺の南麓に位置し,静岡からバスで約2時間山道を奥に入る不便な地である。戦国期には甲斐武田氏の隠し湯と伝えられ,江戸時代は付近の梅ヶ島(安倍金山が栄えていたため,黄金(こがね)湯とも呼ばれた。南アルプスが近くに見え,北東方の安倍峠を越えると山梨県身延へ通じる。安倍川の渓谷には,落差約90mの安倍大滝,三段滝がかかる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「梅ヶ島」の意味・わかりやすい解説

梅ヶ島
うめがしま

静岡県中部,静岡市の北部,安倍川上流域にある地区。旧村名。 1969年静岡市に編入。赤石山脈南縁の連峰に囲まれ,大部分山林で占められている。近くには巨大な崩壊地,いわゆる「大谷崩」がある。近世,金山の開発が盛んに行われ,日影沢などの鉱山が知られた。河谷寄りの傾斜地には,茶園が多く散在しているが,林業砂防工事,林道建設などに従事する者も多い。地区内には,素朴な温泉郷,梅ヶ島温泉があり,奥大井県立自然公園に属する。

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