精選版 日本国語大辞典 「物吉」の意味・読み・例文・類語 もの‐よし【物吉】 〘名〙① めでたいこと。万事うまく行くこと。祝いのことばにいう。※江家次第(1111頃)一一「元日奉レ拝二龍顔一、是物吉之事也」② ハンセン病。また、その患者。※成簣堂本論語抄(1475頃)三「悪疾とは、日本のものよしと云ふ瘡(かさ)出できたり」③ 江戸時代、関西地方で、正月に黒色の籠を背負い、黒衣に覆面をしたハンセン病患者が、町々を「ものよしものよし」と呼びながら祝言を述べて米銭を乞い歩いたもの。《季・新年》※俳諧・鷹筑波(1638)四「商はいちばいばいになりぬらん たうじんなれや物よしなれや〈増重〉」 もの‐よ・い【物吉】 〘形口〙 ものよ・し 〘形ク〙① 運がいい。※宇治拾遺(1221頃)四「此女、よに物よくなりて〈略〉よろづ事かなひてぞありける」② 縁起がいい。※源平盛衰記(14C前)四二「物能(モノヨシ)物能とぞ勇にける」 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報